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「スーパー新幹線」が日本を救う (文春新書)

著者: 藤井 聡

評価: 5.0

読了日: 2017/08/07

投稿日: 2017/08/07

私の専門分野は土木系の中でも少し違いますが、国土に関する政策評論を書いた本のレビューは、おそらく初めてです。

京大教授・内閣官房参与の藤井先生による、この日本にも、いわば「陸の孤島」同然の地域は、まだまだたくさんあるということ、そしてそれに対する解決策を提言された一冊です。

「時間距離」という概念については私も高校地理で習っていたのですが、この本の新鮮さが感じられるところは、これに関して、物理的な距離やそれを移動する時間だけでなく、乗換え等による「心理的」時間あるいは距離を加えるという考え方ですね。
たしかに、同じ移動時間なら航空より鉄道を利用するというのは私自身も含めて、多くの方々の感覚から言っても間違いないでしょう。

ほかにも、
・ 山形新幹線の一部区間について、在来線の車体幅を新幹線側に合わせて線路を共有するという「山形方式」を他の地方新幹線にも応用する
・ 新幹線の特性を活かして「単線化」でコストを抑える(「線路が半分になっても、本当にコストは半分になるか?」という疑問は個人的に残りましたが)
など、面白い視点が数多く見られました。


    コメント

    タイトルから新幹線を世界に輸出しましょうという話かと思いましたが全然ちがいそうですね~。
    >「山形方式」を他の地方新幹線にも応用する
    一見結構ですが、新幹線と在来線の「乗り入れ」なので特急料金は区間ごとに分けて別計算っていうのはやめてもらいたいです。
    キャンセル料も2区間分とられます。JR東日本とJR北海道のように別会社にまたがっているなら仕方ないですが、JR東日本内のクセに酷いです。

    心理的距離って大きいですよ。逆ラッシュなら1時間半かかっても耐えられるけれどラッシュの1時間は耐えられません。私。
    あと田舎の方の駅の1駅の長さにも心理的に苦痛を感じます。

    2017/08/07 by 月うさぎ

    >月うさぎさん
    コメントありがとうございます!
    技術提供に関しても、確かに国際的な受注競争の激しさもあり、話題にはなっていますよね。

    この本の着眼点は、大雑把に言うと、「国土計画」の視点から、鉄道網の整備をどうするか、ということになりますかね。
    なので、お金に関することについても、「どうやって建設費分を回収し、また維持管理も考慮しながら利益を出すか」という大局的なことは論点になっていますが、個別の料金体系の問題点と改善案については、(私が内容を把握している限りでは)言及されていませんでした。
    (とはいえ、そのお話は私は存じていなかったもので、山形新幹線、運営に関してはそのような問題があるんですね…利用者からすれば理不尽極まりないですね。)

    心理的距離、これに関してはおっしゃるとおりですね。
    この本は主題が新幹線ということもあって、「ラッシュ」にはほとんど触れられていませんが、大都市圏の通勤時間とかを考えるなら、それも住民の行動に影響することには違いないでしょうね。

    2017/08/07 by ピース

    ピースさんの読書レビュー 「「スーパー新幹線」が日本を救う (文春新書)」 | 読書ログ

    プロフィール
    ニックネーム:ピース
    本棚登録件数: 169 冊
    レビュー件数: 121 件

    自己紹介:
    土木系の計画・設計業務と先端技術の実用化に携わっている者です。

    レビューはビジネス書や自己啓発本、あるいはいかにも「技術職」という感じの本が多くなるかと思いますが、小説・エッセイ・歴史系・社会評論系なども出来る限りやって行きたいですね。
    CD付きの本(英語含むオーディオブック、脳や心に良い音楽とその解説がセットになった本など)も割とよく買うので、それもレビューしていこうと考えています。

    途中で合わないとか、読む価値がないと思った本はさっさと読み流してしまう(あるいは電子書籍で試読の出来ない本なら目次だけで読むのをやめることも)タイプなので、★2以下の評価は滅多につけないと思います。

    hontoでもレビューやっています(HNはこちらと違います)。

    よろしくお願いします。

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