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19歳

著者: 永瀬隼介

出版社:角川グループパブリッシング (2004/08)

評価: 3.0

読了日: 2019/12/02

投稿日: 2019/12/02

2017年12月19日、東京拘置所でふたりの死刑囚に対して
刑が執行された。そのうちのひとりが関光彦。犯行当時19歳
だった関に対しての刑執行は、永山則夫以降20年振りだった。

俗にいう「市川市一家4人殺人事件」が発生したのは1992年
3月5日の夕方から翌朝にかけてだ。金銭目的で事件発生1カ月
前に暴行した少女の家に侵入し、わずか4歳であった少女の妹
までをその刃にかけた胸糞悪い事件である。

そんな惨劇を引き起こした少年犯は、どのような生い立ちなのか
を追い、自身が起こした事件に対して何を感じているのかを文通
と面会によって辿ったのが本書である。

父親による家庭内暴力、その父親が作った借金による両親の離婚と
夜逃げ、世間体を憚る母親、安息を得られる場所は母方の祖父母の
の元にいる時だけだった。

そんな生活が徐々にいびつな性格を育んだのかもしれないが、生い
立ちだけでは片づけられない、本人の資質もあるのではないかと
感じる。

市川市での犯行に及ぶ前にも、関はいくつかの犯罪に手を染めている。
その動機さえも曖昧だ。ただ力で人を支配したいだけだったのではない
のだろうか。父親が暴力で家族を支配したように。

その力のほとんどは自分より弱い者にだけ向けられている。事件の引き金
となった女性とのトラブルで暴力団に脅されれば、半ばパニックになって
いるのだから。

書簡の内容、面会時の会話から、自分に何の関りもない4人の命を奪った
罪の重みを、彼は感じていなかったのではないかと思わせる部分が多々
ある。

本書は2000年に単行本で発行されたものに1章が加筆されて文庫化され
た作品なので、著者が係わった頃の関のままで絞首台に上がったのでは
ないことを祈りたい。


    sashaさんの読書レビュー 「19歳」 | 読書ログ

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