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華栄の丘

著者: 宮城谷昌光

出版社:文藝春秋 (2003/03)

評価: 3.0

読了日: 2017/03/20

投稿日: 2017/03/20

宮城谷昌光はつ読み。この小説の主人公は華元(生没年不詳であるが紀元前616~589年頃に宋の名君・文公を助けて活躍)という人物。この華元の一番の功績は、中華の大国である晋と楚の和議を取り持ったことであるが、この小説のメインテーマは華元という人物の人となり。不遇の時代が彼を育てた。謙虚に人の意見を聞く耳をもっている。乱世にして詐術とは無縁にして自らの信念を曲げることない、という生きざま。まわり道をしながらも大きな仕事をはたす。われわれ日本人がしばらく前までもっていた、中国のよき大人のイメージそのままの人物。

【このひと言】
〇盟ったことを棄てることは、みずからの信を棄てるようなものです。小国である宋は大国を頼るしかありませんが、信を立てなければ、大国に棄てられ、ついには天に棄てられます。
〇不遇であることは、人を育てます。わたしが父の歿後すぐに司寇の職を襲(つ)いでいたら、昭公への仕えかたに迷い、それがひけめになって、君を心から補佐できたかどうか・・・
〇どのような戦いにも生死がある。戦場にある生死に手心をくわえることはできない。戦場では、ほどよく生きることも、ほどよく死ぬこともできぬ。死が厳粛であれば、生も厳粛である。戦場とは、そういうところだ
〇美名と汚名とはわずかな差しかない。
〇あと二月、苦しみましょう。苦しむことは、生きているということです。苦しみが終わるということは、死ぬということです。


    シュラフさんの読書レビュー 「華栄の丘」 | 読書ログ

    プロフィール
    ニックネーム:シュラフ
    本棚登録件数: 57 冊
    レビュー件数: 57 件

    自己紹介:
    人間の本質を知りたければ、芥川龍之介とドフトエフスキーを読め。そして人間としての生き方を知るために、トルストイを読むべきである。

    観念論的な至高の美と狂気の世界を知りたければ、ゲーテを読め。そして現実社会には美と醜と窮屈さがあることを知るために、シェイクスピアと夏目漱石を読むべきである。

    一流の仕事人になる方法を知りたければ、世阿弥の『風姿花伝』を読め。そして男の生きざまを知るために、山本周五郎と吉川英司を読むべきである。

    日本人の物語を知りたければ、司馬遼太郎を読め。そして歴史には物語としての嘘があることを知るために、井沢元彦を読むべきである。

    政治と経済という世の中の仕組みを知りたければ、塩野七生とマルクスを読め。そして我々の人生や社会には不条理があるということを知るために、吉村昭を読むべきである。

    これが今の私の結論である。

    平成29年2月11日

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