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コロンビア特集

コロンビア国旗

~ガルシア・マルケスの故郷を辿って~

今回は「予告された殺人の記録」の著者でコロンビア共和国初のノーベル賞を受賞した ガルシア・マルケスに迫ります。

駐日コロンビア大使館の永松さんにお話を伺ってきました。ゲリラとの和平プロセスを歩み始め、まさに歴史的な変化を迎えたコロンビア。 7月には毎年恒例の「コロンビア独立記念祭」が日比谷公園で開催されます。それでは、いざコロンビアワールドへ!!

コロンビア大使館い インタビュー
【写真左:品川区にあるコロンビア大使館外観】
【写真右:インタビューにご協力下さった駐日コロンビア大使館の永松さん】

ガブリエル・ガルシア・マルケスとは

G・ガルシア・マルケス(1928~2014)はコロンビア共和国を代表する作家です。 コロンビアでは初のノーベル賞作家(1982年受賞)であり、 「魔術的リアリズム」の旗手と言われ、多くの作家に影響を与えてきました。

ガルシア・マルケス ガルシア・マルケスの作品1

ガルシアは、早くから父母と離れ、祖父母に育てられました。祖父は厳格な兵士で戦争の体験を語り、 祖母は迷信深い人で新聞コラムなどをガルシアに読み聞かせ、共にガルシアの作品に大きな影響を与えたようです。

ガルシアの出身地であるアラカタカというカリブ海沿岸の村では、当時アメリカによる中南米諸国支配の道具であったバナナプランテーションが広まり、 街は発展しましたが、彼自身は決して裕福な育ちではありませんでした。
生活難によって大学を中退し、後に新聞社に勤めますが、ライターとしては才能がないと言われます。 決してエリートでノーベル賞までたどり着いたわけではなく、その辺りも国民からの人気を受ける理由なのかもしれません。

※魔術的リアリズム:現実にあるものと現実にないイマジネーションを融合した表現技法。

ガルシア・マルケス代表作品

予告された殺人の記録

「予告された殺人の記録(1981年)」

ガルシア・マルケス自身が 最高傑作として発表した作品です。1951年に起きた実際の事件がモデルとなっていて、 描写の精緻さ故に、事件の真相を知っているのでは?と当局に疑われたという逸話を持っています。

百年の孤独

○「百年の孤独(1967年)」

世界各国でベストセラーとなり、ラテンアメリカ文学ブームを巻き起こした長編作品です。 本国コロンビアでは中学校くらいの教育課程で皆が必ず学ぶ作品で、コロンビア人であれば誰でもが知っている作品です。

ガルシア・マルケスの作品2

駐日コロンビア大使館には、 スペイン語のガルシア・マルケス作品が多数ありました。 また、本人とも親交があった田村さと子氏が、本人・家族の証言やコロンビアを実際に歩いて集めた情報をまとめあげた 「百年の孤独を歩く」もご紹介いただきました。

内戦を乗り越えたコロンビア

「予告された殺人の記録」が描かれた1950年代からすると、 現在のコロンビアは歴史的な転換点にあると言えるのではないでしょうか。 少しコロンビアの歴史を辿ってみましょう。

コロンビアでは1960年代からゲリラ活動が活発化し、コロンビア革命軍(FARC)、民族解放軍(ELN) をはじめとする複数の左翼ゲリラが発足し、 52年にわたるコロンビア内戦が勃発しました。
2010年に大統領に選出されたサントス大統領は、 FARCとの和平交渉を進めましたが、 その後の2016年10月の国民投票では、和平合意が否決されます。

サントス大統領は、 反対派である前大統領ウリベ氏との会談を実現します。 ウリベ派による新たな和平合意案の提出の後、再度FARCとの協議を経て、新和平案の合意に至ります。 国会では反対票0という結果で承認され、更にELNとの和平交渉も開始されました。
ゲリラ活動の資金源となっていた麻薬カルテルは解消され、大きな対立を乗り越えて、 社会的にもコロンビアでは大きな変化が始まったと言えるでしょう。
こうした功績が認められて、サントス大統領は、 昨年ガルシア・マルケスに次いで コロンビアで2人目のノーベル賞(平和賞)を受賞しました。

ついにコロンビア観光ブーム到来か!?

さて、現在のコロンビアはどのように見られているのでしょうか?
・英『エコノミスト』誌:2016年最も改善された国
・米旅行誌『ロンリープラネット』:2017年に訪れるべき国 第2位
と評判は上々です。

ここから、コロンビアの素顔に迫ってみましょう。

コロンビア観光地図

コロンビアは、国の中央にアンデス山脈が縦断し、地域は5つに分かれています。
96種の先住民族がおり、今でも当時の生活様式を守っている民族がいるそうです。 (コロンビアの先住民族と文化を描いた映画「彷徨える河」:下段参照)

観光名所は、首都のボゴタ、 第2の都市メデジン、 カリブ海側のカルタヘナなどが挙げられます。

メデジン

メデジン
麻薬犯罪の巣窟として世に知れ渡っていましたが、大使館の永松さんによると、 今では「タクシーを街中で捕まえても犯罪に巻き込まれない」「女性でも夜に独り歩きが出来る」など治安が随分改善されたそうです。 (とはいえ、日本とは違うので暗い路地には行かないなど、最低限の注意を払う必要はあります)

カルタヘナ

カルタヘナ
カリブ海に面していて、海賊から町を守るために高い城壁が設けられた場所だそうです。 欧米の旅行者が多く、アジア人では中国、韓国の旅行者がチラホラ見られますが、日本人旅行者はまだあまり見かけないそうです。

タイロナ国立公園

タイロナ国立公園
カリブ海沿岸のタイロナ国立公園は観光地としてはまだまだ無名で、今後ぜひ注目していきたいスポットのひとつです。 このような観光地が残っているのも、かつては治安が悪く、国民に国内旅行をする習慣があまり根付いていないことも影響しているでしょう。 また、公共の移動手段としてはバス(2台連結型の大型バス)が主流で、 鉄道はメデジンにしかありません。 長距離移動は飛行機なので、アクセスが良くない地域が多く、こうしたことが逆に幸いしてか、未開拓の自然や生活・文化が残っているようです。

コーヒー農園体験

コーヒー農園体験
コロンビアと言えばコーヒーですよね。 現地で申込ができるオプショナルツアーとして、コーヒー農園に宿泊するツアーなどがあるそうですので、一度体験してみてはいかがでしょうか。
コーヒー豆は全て手摘みされていて、熟している豆だけが収穫されているので、コロンビアのコーヒーは美味しいのです。 コーヒー豆の産地としては、メデジンとボゴタの中間辺りに位置するカルダス県のマニサレスが有名です。

花の栽培1

花の栽培
あまり知られていないかもしれませんが、お花の栽培も有名で多種多様な花が栽培されています。 花の主な栽培地はメデジン市で、こちらでは毎年フェリア・デ・ラス・フローレス(花の祭典)が行われます。 また、日本に輸入されているカーネーションの約7割がコロンビア産だって、皆さん知っていましたか? 先日母の日にカーネーションをプレゼントした貴方!ひょっとしたらコロンビア産かもしれません。
(写真はコロンビア大使館より提供)

日本でコロンビアを体験!

コロンビア独立記念祭

コロンビア独立記念祭

コロンビアの独立記念日にちなんで、2017/7/16(日)に毎年恒例の独立記念祭が日比谷公園で開催されますので、是非皆さんコロンビアを身近に体験してみましょう!
(参考)コロンビア独立記念日:1810年7月20日にスペインから独立を宣言

この独立記念祭は毎年2,000人以上が来場しており、 コロンビアの音楽やダンスのライブステージ、コロンビア料理が楽しめます。

日本で味わうコロンビア料理

コロンビア料理を楽しめるお店は、恵比寿の「PUNTO PUNTA プントプンタ」さんやフードトラックを営む「Columbita コルンビータ」さんなどが挙げられます。

PUNTO PUNTA プント プンタ
東京都渋谷区恵比寿南2-13-14 T&Kビル 1F(恵比寿駅西口徒歩5分)

「エンパナーダ」、「アレパ」、「アヒアコ」など本格コロンビア料理が楽しめます。 食材をコロンビアから調達し、店主AKIRAさんのお母さんが手作りで仕込みをしている料理はどれも絶品。 まさにあたたかいお袋の味。 恵比寿の住民に愛される素敵なお店です。

店舗 店員さん
【写真左:恵比寿から徒歩5分。防衛省施設の目の前にある店舗】
【写真右:店主のイケメンAKIRAさんは日本とコロンビアのハーフで、スペイン語対応も可能】
料理1 料理12
【写真左:3種類のじゃがいもと鶏肉のスープでアンデス地方の伝統料理「アヒアコ」は程よい塩味がたまらないお袋の味】
【写真右:トウモロコシの香ばしい皮に具材を包んで揚げた「エンパナーダ」とハムとチーズ等を トウモロコシの皮でサンドして焼いた「アレパ」。オリジナルサルサソースとともに食べるとおつまみにも最高です!】

Columbita コルンビータ
フードトラックマーケット東銀座(東京都中央区新橋演舞場横/毎週月曜11:45-14:00)の他、
各地イベントに出店
※詳しい出店情報はFacebook(https://www.facebook.com/Columbita.JP/)でご確認を。


かつてコロンビアの首都ボゴタでレストランを経営していた店主レオナルドさんが提供する伝統的かつ本格的な「アレパ」が食べられます。 外はパリパリ、中はモチモチの食感を是非。

コルンビータ1 アレパレジェナ
【写真左:都心のど真ん中で営業中!!】
【写真右:アレパの中にチキンやビーフを挟んだ「アレパレジェナ」】

コルンビータ2 サルピコン
【写真左:ランチメニューはコロンビア風パエリアやアレパレジェナセットなど】
【写真右:小さく切ったフルーツたっぷりのコロンビアジュース「サルピコン」】

コロンビアを舞台にした映画も注目

「彷徨える河」:第88回アカデミー賞 外国語映画賞にノミネート。アマゾン地方の先住民を取り上げた映画。

「潜入者」:麻薬捜査官の実話に基づくサスペンス。昔のコロンビアの麻薬犯罪を取り上げた映画で2017年5月13日公開。

「GABO~ガルシア=マルケスの生涯~」:英国出身のジャスティン・ウェブスター監督による本格的ドキュメンタリー映画。

「コレラの時代の愛」:ガルシア・マルケスの小説を映画化。 内戦が続き、コレラが蔓延する時代、初恋の女性を51年間待ち続けた男の愛の物語。 主演はハビエル・バルデム。

彷徨える河 潜入者 GABO コレラの時代の愛 【映画ファンが集まる映画レビューサイト 「映画ログ」はこちら】


取材協力
駐日コロンビア大使館永松様(2017/5/10)
コロンビア料理プントプンタAKIRA様(2017/5/25)
コロンビア料理キッチンカー伊藤様(2017/5/26)

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